レイルイは小ネタが楽しい
川
「ルインくーん、シュークリームを作りすぎてしまったので食べないかい…おや?」
姿を見つける前から妙に状況説明口調でレイヴァンが宿屋の二階に上がると、風に踊るカーテンが見えた。
ぽかぽかとした日ざし、さわさわとした心地よい風が気持ちよい、窓際のソファで、ルインがくうくうと寝息を立てていた。
「……」
そうっと近づいて顔をのぞき込んでも反応がない。
ルインは寝ていても人の気配を感じ分けてしまうので、レイヴァンにはすっかり警戒を解いていると言うことだろう。
そのルインの膝の上に丸くなったレインも眠っている。
(愛らしいね)
この上なく、微笑ましく平和な光景だ。
レイヴァンは起こさないよう上掛けを探してこようときびすを返しかけ、
「ぅにゃー…」
「…おや、レインくん起きてしまったかい」
レインはのびーっと身体を伸ばし、ぴょいっとルインの膝から飛び降りる。
ててっとレイヴァンの足下に駆け寄り、すりすりと身体を押しつけて甘えてくる。
レイヴァンはしゃがみ、レインの背をそっと撫でて、唇の前に人差し指を立てた。
身体の向きをもう一度直して、眠るルインにそうっと手を伸ばす。
慎重に抱き上げる。ルインはかすかに身じろぎをしたが起きる気配は無い。
備え付けのベッドに横たえて、きちんと布団を掛ける。こちらも日当たりが良く気持ちの良い風が入る。
「おやすみ、ルイン君」
寝顔を見つめて呟き、すぐに立ち去ろうとした、ら。
「おおっと」
レインがレイヴァンの足にまとわりついてきた。まるで行く手を邪魔するかのよう。
「にゃあ」
レインは再び、ルインの眠る枕元まで飛び上がると、たしたしと尻尾でシーツを叩いた。
まるで、「ヘイ、カモン!」とでも言いたげである。
(いやいやまさかボク達のかわいいレインくんがそんな口調で…ここはせめて「一緒に寝ようよ」とか…って意味同じだねボクとしたことが!)
「にゃー?」
仔猫にベッドインを促される美青年。なかなか画的にシュールだが、腐っても紳士のレイヴァンはその魅力的な誘いにも屈しなかった。
「レインくん…ルイン君の眠りを護る騎士の役目はキミに任せたよ…ボクにはそう…今からやらなくてはならないことがあるんだ」
すなわち、眠るルインのためのシュークリーム確保である。
いや、いつだって焼くけれど。ルイン君シュークリームあんまり好きなイメージ無いけどね!!
「ごめんよレインくん。またの機会に一緒に眠ろう」
「にゃ」
不満そうな仔猫の様子に胸が痛む。
かわいいルインとレインと一緒に眠れるのは嬉しいが、やはり、思いとどまる。
(あまり、熟睡できそうにはないからね)
目を閉じるなんて、もったいないこと出来そうにないから。
バカップル度が日に日に進化。
ごはん
この日は珍しくルインが昼食当番になった。
宿屋勤務の人で料理好き料理上手は多い。いつも当番制でも強制でもないのに、誰かが何かを作ってみんなで食べる。
酒場のコック達がまかないをこさえてくれることも多いが。
ある朝、従業員のひとりがルインって料理できるの?と言う話題になったので。
「普通に出来るよ」
と返答した結果、急遽昼食を作り、料理の腕を披露することになった。
トマトが多かったのでトマトチーズリゾットを作った。トマト嫌いの人にも好評を頂いたちょっと自慢のレシピである。
レインのために魚のすり身の離乳食も最近作り始めた。レイヴァンの方が上手なんだけど。
「できた」
大きな土鍋一杯に作って持って行くと、みんな様々な反応を見せておおむね歓迎してもらえた。
リッカはルインのごはん久しぶりと言って喜んでくれる。もちろんありとあらゆる意味で、ルインは彼女に真っ先に配った。
トマトの酸味もチーズの独特な癖もほとんど無い、シンプルだが上々のできばえだ。
みんなも美味しいと言ってくれた。シンプルだが。地味だが。そう言う枕詞はついて回ったが。
「ルイン君の作る料理、ボクもはじめて食べるよ」
「そういえばそうだっけ」
器を受け取ったレイヴァンが、ルインの隣に座って良いか伺いに来た。二つ返事で頷く。
レインは良い子なので、ルインが食事をはじめるのを待ってから自分の食事をはじめる。
(ホントこの子、良い子すぎて本当に猫だろうか…)
本気の目をする両親の心配をよそに、仔猫はすくすく育っている。
「それではいただきます」
「どうぞ」
手を合わせたレイヴァンは、はっ、とおのれの両手を見つめ、顔一杯に驚愕を浮かべた。
「なんて事だろう!スプーンがなかったよ!」
「あ、ごめん。数間違えた?」
「ルイン君もそんな失敗をするんだね…。ボクなら構わないよ!すぐに取ってくるから」
「でも冷めちゃうし」
トマトリゾットは温かいうちに食べるのが一番美味しいのだ。
「はい、レイヴァン」
ルインは、自分の皿から一口すくい、湯気の立つそれにふーふーと息を吹きかけて。
レイヴァンに差しだした。
「………!!ル…!!」
「あーん」
ルインは真顔だった。レイヴァンの方は何とか平静を保つ(?)だけで精一杯で。
これは幸せなのか試練なのか、もう何が何だか。
「冷めちゃうし」
「う、うん。そうだねっ」
ルイン君が作ってくれたリゾットを、ここではしたないとかまさかの間接キスとかの理由でためらうなんて、なんてボクは男らしくないんだろう、むしろ美しくないね!!
今まさにルイン君が差しだしてくれている、ほっかほかのリゾットが冷めないうちに!さあボク!!覚悟を決めたまえ!
「じゃあ…」
「ちょっとー、こっちのテーブルスプーン一個多く取ってるんだけど、誰か足りない人いない?」
ルイーダがスプーン持ってすたすた歩いてきた。
「あ、ルイーダ。こっち。それ、レイヴァンの」
「ありがとうルイーダさんっ!!キミの美しい手が触れたスプーンで食事が出来るなんて、最高のスパイスさ!」
キスしようとしていたわけでもないのに、それぐらいの勢いで二人は距離を取った。
「あら、お邪魔だったかしら?」
「まさか!そんなことはありませんよ!」
ルイーダはふふっと微笑むと、ごめんなさいねと面白がるような視線をくれて自分のテーブルに戻っていった。
「これで、ルイン君のリゾットが食べられるよ。改めて、頂きます」
「うん、よかったね」
ルインは、スプーンにずっと載っていた、冷めてしまった一口をぱくりと口に入れる。
「美味しいよ、ルイン君!」
「よかった」
にこにこと笑いあって、今度こそ冷めないうちにと二人はもくもくと食事する。
「…ちょっぴり残念」
レイヴァンが、隣からの呟きにびっくりして、空耳かと確認する。
赤い髪に隠れそうな、小さな耳がほんのり朱の色に染まっている。
レイヴァンは微笑んで、自分の皿からひとすくい、彼女に向かって差しだした。
※付き合った後
お前ら中学生か!
相変わらずレイヴァンがアレな感じでごめんなさい。
空気は乾いていたしよどんでいたが、目はよく見えた。
息を殺し音を殺し、最大限の集中力でもって慎重に進んでいった。
難解な宝の地図に、ひとりで挑むことはそうはない。ルインは自分の戦闘に不向きな能力を熟知していたし、体力にも限界はあった。
「……!」
ふと、一瞬の気のゆるみが招いた、魔物に取り囲まれている、と言う事態。
大型の魔物が四体。それぞれ意志をみなぎらせた眼差しが小柄なルインに注がれる。
殺戮?享楽?暴虐?目的はどれにしたってろくなものではない。
逃げ場は、無い。いくら身の軽いルインとはいえ、この包囲網をくぐり抜けるのは無理だろう。
であれば、戦うのみ。
身の丈に合わない、巨大な斧の柄を握りしめる。
真っ先に、一番身近にいるギリメカラに斬りかかった。振り下ろした一撃が昏い軌跡を帯び、脳天から魔物の巨躯をまっぷたつに切り裂いた。
飛び散る体液を浴びることなく身をひねり、ルインは背後に壁を確保した。
(ああ、死んでない)
身体の半分を割かれながらも息のあるギリメカラは、痛みと怒りのこもった眼差しでルインを睨む。
ごめんね、ごめん。力が足りなくてボクの一撃じゃさよならできない。
アイアンブルドーの突進は直進的な動きなので交わすことに造作はない。
もう一匹のギリメカラの一撃は、地面を転がって逃げた。石畳が砕けて破片が飛び散る。
ルインは息を吐いた。すぐに身体を起こして斧を振り上げる。
手から柄へ、力を通して注ぎ込むよう、斧におのれの力を。
力は具現化し斧を介して具現化される。ルインは大きく斧を振りかぶる。
放たれた衝撃波が斬撃となって魔物達に襲いかかった。アイアンブルドーの一匹が打ち所が悪かったらしく絶命する。もう一匹は足から血を流しつつも、さらなる興奮を煽るだけにすぎなかった。
(ああ、まともに食らったらボクぐっちゃぐちゃだな)
攻撃直後の隙を逃さず、ギリメカラが振りかぶる、大振りの一撃をルインは見守る。
痛みに我を忘れかけた、身体の裂けた魔物から体液が飛び散る。温い。
ああ生きてる。痛い。見ているだけで痛い。
「さよなら」
ルインは腕を、振り払う。
ギリカメラの上体が、後方に傾いで落ちていった。
だばだばと体液が溢れる。それを見つめながら、もう一匹の攻撃が迫るのを視認する。
鈍い音が聞こえる。一瞬、聴覚を失う。
気がついたときルインは床にころがっていた。
(とりあえず、ぐっちゃぐちゃではない)
よろよろ身体を起こすと、頭からぽたぽた血が垂れているけど。
体力の無さに笑いが出そう。ルインは痛恨の一撃を、一回はともかく二回耐えられる自信がない。
回復の呪文を唱えるべく意識を集中させるが、敵は待ってはくれない。
じりじり、とルインとの距離を詰めていく。
「ガアッ!」
アイアンブルドーが頭部の角を振りかざし、突撃を掛ける。
「爆ぜよ焔!イオナズン!!」
薄暗い洞窟内が一瞬で光で満たされ、大爆発が起こる。
魔物は火に撒かれのたうち回っている。イオ系最強呪文イオグランデにも匹敵する、攻撃魔力の高さあっての威力だ。
ルインは、魔物が黒こげになって異臭を放つ姿を目に留め、ゆっくりと瞬きを繰り返し、息を吐いた。
「おっと」
膝を着くところを抱き留められる。
「ボクがいるよ、ルイン君!」
「そっかそうだった…今日のボクは最強だ」
力強く肩を支えられ、ほっとしたのもつかの間、ルインはがっくりと、今度は違う意味で肩を落としてしまう。
「ボクかっこわるい」
「そんなことはないさ!ルイン君はいつにも増して勇ましく輝いていたとも!」
「レイヴァンは格好いい」
「それはそうさ!なんと言ってもボクだからね!」
いきなり戦闘を書きたくなった。低クオリティですが!
リアルにルインはこんな弱さ。
ひとり旅なんてとても!!
甘いもの
「ということで、好きな人と付き合う?事になったよ」
「そこは疑問系じゃなくて良いじゃない。ルインちゃん、おめでとう!」
ルインはミリエッカと、ペット同伴を許可してくれるカフェテラスに座っていた。
いつも色々お話ししたり、相談も応援も真っ先にしてくれたミリエッカ。
彼女に真っ先に聞いて欲しかったのだ。
二人の前にあるのは、パイではなくタルト。いつかの専門店でテイクアウトしてきた。
りんごのシブースト。こんがりと付けられた焼き目も食欲を誘って美味しそうだ。
けれど少女達はまだそちらには手を付けないで、それぞれの恋のお話を報告しあったりしていた。
ミリエッカの恋も、どうやら良い方向に進んでいるようで、これにはルインは自分のことよりも嬉しくなった。
「といってもこれといって前から変わることはないんだけどね」
「ルインちゃん淡泊そうだね。でもせっかくだからいちゃいちゃしたり二人で出かけたりしたらいいよ」
ミリエッカはレインを膝に載せてごろごろしている。ルイン的に何というか、心和む光景だ。
「ミリエッカはする?」
「うんする」
何かあっさり頷かれてルインは寂しくなった。これからミリエッカはボクといるより恋人と過ごす方が楽しくなっちゃうのかもしれない。
暗い思考はらしくない。紅茶を一口含んで気分を入れ替える。
「でも二人で過ごしたり出かけたりは前からしてたし、いちゃいちゃというか、あんまり」
「じゃあ本当に何も変わらないの?」
ミリエッカはびっくり、猫耳をぴくぴくさせながら、ルインを見つめてきた。両手は相変わらずレインの首もとをちょこちょことくすぐっている。
「うーん。」
考えてみる。二人ですることや話す内容に、特に変化はないように思うが。
ひとつ、思い当たって口を開いた。
(キスをするようになったよ)
言う間際に、口を閉じた自分に賛辞を送りたい。けれど顔色はどうにもならずルインの顔は真っ赤になった。
「……」
「ルインちゃんが取られちゃった」
ミリエッカは憮然と呟いた。それはボクの台詞だ、とは、今はきっと言う資格がない。
変化らしい変化なんてそれぐらいか。
ミリエッカちゃんとはいつまでもなかよしでいて欲しいですね!
ぼく、がんばる
ぼくはレイン。ちょっとおおきくなった、こねこ。
このまえおかーさんとおひるねしてて、おとーさんがきたから、いっしょにねてくれるとおもってよろこんだのにおとーさんはねてくれなかった。
ちょっとふまん。
ぼくはまだ、かわのじってしたことないの。
かわのじ。
おとーさんとおかーさんとこどもでならんでねむるの。
ねこのおやこだとまるのじだけど、にんげんのおやこはかわのじ。
よし、きょうこそさんにんでねむるぞ。
まず、おかーさんはいつもいっしょにねてくれるからいい。
もんだいはおとーさんだ。
おとーさんがおしごとがおわってねむるじゅんびをおえるまで、ぴったりとついてまわる。
じゃまなところにははいらないよ。じっとまってる。
「レインくん。ボクに用事かい?」
うんうん。
「もうおねむの時間だろう。ルイン君のところに連れていってあげるから、おやすみ」
ああ、ちがうのちがうの。おとーさんはおおきいからひょいってかかえられたらにげられない。
けっかてきにおかーさんのところにおとーさんをつれていくことはできたけど、これじゃあすぐかえっちゃう!
「こんばんは、ルイン君。レインくんを連れてきたよ」
「こんばんはレイヴァン。あれ、レインいないと思ったらレイヴァンのところにいたの?」
おかーさん!
おかーさんはぼくのことばがすこしわかる。
がんばっていったら、おとーさんにもおねがいしてくれるかもしれない。
うん、いっしょにねたいって。おかーさんにいってもらえば!
「にゃー、にゃあ」
「い、いた、痛いよレインくん」
おとーさんのふくにつめをたてて、はなれるのいやいやとひっしにうったえる。
おかーさん、いってやって!ぼくのゆめをかなえてください!
「レイヴァン、レインはレイヴァンと離れたくないみたい」
「ええっ、嬉しいけれど、じゃあ今日はボクと眠るかい?」
「にゃ、んにゃーう」
「……レイヴァン、ええと」
「なんだい、ルイン君」
「ボクも一緒に寝ていい?」
「ええっ」
おかーさん!
おかーさんはみょうに「しんみょう」なかおでぼくをみてるけど、うん、あんまり「ろまんちっく」じゃないけど、たしかにぼくのきもちをわかってくれた。
「い、一緒に?かい?」
「うん、三人一緒に」
「う、うん。それは構わないよ。広いベッドではないけれどボクはちっとも、構わないよ!」
それだとおとーさんなんかかまうみたいだよ。
ぼくはおとーさんのふくにつめをたてるのをやめて、おかーさんとはまたちがう、ひろいむねにからだをすりよせた。
どきどきしてる。からだのちいさなぼくと、むねのおとのはやさがそんなにかわらないくらい。
「レインくん。キミは一体何を言ったんだい?」
こっそりつぶやかかれる。ぼくのおねがいだってばれちゃった?
「にゃー…」
おとーさん、いや?おかーさんとぼくと、いっしょにねるのはいや?
「悲しそうに鳴かないでおくれ。もちろん嬉しいとも」
なでなでしてもらえる。えへへ。
レイヴァンが普段使っている部屋で、二人と一匹は並んで横になった。
少し早いにしても、眠るのに支障のない時刻になっている。灯りを落とす。
お互いの瞳だけが、暗闇の中光る。それを探り当て、静かに声を落とす。
「ルイン君。心配しないでほしい。ボクは天地神明に誓ってキミにたいし紳士であり続けるよ」
「いや、何も心配はしてないから大丈夫だよ」
たんたんと告げる、いつも通りのルイン。
そのまま受け取れば、レイヴァンがここまで硬くなることはないのだと、思わせるような。
むしろ二人は恋人同士。何があっても大した問題ではないと言われそうな。
「でも、キミに心の準備が出来ない間、指一本ふれる気はないんだよ」
提案を述べるとき、ルインの目に一瞬走ったおびえを、彼は当然のように見逃さなかった。
「……ごめんなさい」
謝罪する必要なんか無いと、レイヴァンはそっと前髪を撫で、額に軽く触れるだけの口づけを落とす。
「おやすみルイン君、良い夢を」
「…おやすみ、レイヴァン。レイン」
「そうだね、レインくんにも、良い夢が訪れますよう」
あたまのうえで、おとーさんとかーさんのこえがして、ぼくはとっくにねむたくなってしまった。
だいすきなふたりにくっついてしあわせ。
さいしょ、どっちをむいてねむればいいのかまよっちゃった。
でも、おかーさんにからだをくっつけて、おとーさんをみながらねむることにした。
おとーさんはぼくを、ぼくとおかーさんを、じっとやさしくみつめていて、ねむくないのかな?
ねむるまで、みていてくれる?
もうすぐ、ねむるから…。
ゆめのなか、ぼくはにんげんのこどもで、はしってて、おかーさんとてをつないではしって。
おとーさんにかたぐるまをしてもらって、おおごえでわらってた。
すてきなゆめ。すてきすぎて、にんげんだったらないてたとおもう。
ぼく、ねこでよかったけど、にんげんがよかった。
ほんとうの、おとーさんとおかーさんのこどもがよかった。
ぼくはレイン。
ねこだけど、おとーさんとおかーさんのこども。
読みにくい第二弾。
川の字話がしんみりになってしまいました。(2010.3.23)